16
2020年
2月16日
7:00 pm - 9:00 pm
7:00 pm - 9:00 pm
イーヴォ・ポゴレリッチ ピアノ・リサイタル
地図を読み込んでいます...
周南市文化会館
〒745-0851
山口県 周南市 徳山公園区5854−41
この場所で開催されるその他の公演
寄神のメタモルフォーゼ
未踏の地へと向かうポゴレリッチ
ポゴレリッチは、「メタモルフォーゼ」を体現している芸術家だ。
例えば、ある種の生物は、脱皮を繰り返しながら成長し、一定期間、蛹や繭の中で眠ったあと、羽化して成体となる。その、段階を追った形態の変化を生物学でメタモルフォーゼと言う。メタモルフォーゼは、生涯避けられぬ通過儀礼であり、各段階を無事に経過できなければ、そこで命が絶たれる。
ポゴレリッチもまた、ショパン国際コンクールの風雲児として登場して以来、自身の殻を自らの力で破りつつ変容を遂げてきたピアニストだ。常にテクニックの変革を自らに課し、様々な様式の作品を手掛け、着実な成果を収めてきた。一方で再起すら危ぶまれるほどの療養生活もあった。2005年に6年ぶりの来日公演が行われた時、激変した彼の演奏に愕然とした聴き手も多かった筈だ。
しかし、沈黙と混迷の時期を契機として、その後に現在のような破格の演奏が姿を現すとは、あのとき誰が予想しただろう。まるでポゴレリッチ自身の中で、劇的なパラダイムの交代が完成されたかのようだった。彼は今、新たな未踏の地へと己の世界を展開しつつある。彼の次の段階がいつどのように始まるのか、聴き手である我々は知ることができな。ただひとつわかっているのは、現在のポゴレリッチを聴き取れるのは今、このときだけ、ということだ。停滞も老成も無縁。彼のメタモルフォーゼは、いかなるときも我々を惹きつけずにはおかない。
山田亜葵 (チラシ裏より引用)
プログラム
- J.S.バッハ: イギリス組曲第3番 ト短調 BWV808
- ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第11番 変ロ長調 op. 22
- ショパン: 舟歌 op. 60/ 前奏曲 嬰ハ短調 op. 45
- ラヴェル: 夜のガスパール
[ess_inline_network]